大原最後の日〜2009年9月30日〜


 2009年9月30日。この日は、神姫バスにとって歴史的な日といえるでしょう。昭和22年に日ノ丸自動車から路線を買収して運行開始した、湯郷・大原地区の路線がその幕を閉じることになりました。これで、神姫バスは岡山県内から一般路線車が撤退することになったのです。この最後の姿を一目見ようと、大原車庫を訪問しました。

 朝から小雨が降り続く中、姫路から青山・四辻経由で山崎へ。そこから、中国ハイウェイバスで津山へと向かい13時40分頃到着。 津山広域バスセンターで50分ほど待つと、14時半前に、14時50分発のバレンタイン作東経由大原行きが津山広域バスセンターに入ってきました。


 車両は、1080で今まで湯郷〜津山と大原一筋で活躍した車両です。画像のような、中鉄バスとの顔合わせも今日が見納め。運転士さんは、中鉄バスの運転士さんにお別れの挨拶をしており、地元の方はバスの写真を撮って乗り込まれていました。

 14時50分定刻に、バレンタイン作東経由大原行きの最終バスは発車しました。


 このバスが、津山に戻ってくることはもうありません。このバスが出て1時間後に、


 真加部経由大原行きの5855がやってきました。このバスに乗り込んで、大原を目指します。

 16時丁度に津山広域バスセンターを発車して、バスは衆楽園を目指します。途中、数箇所のバス停に停車するもののクローズドドア方式のため、


 運賃表示機は、ご覧の通り運賃0円(笑)
 この運賃表示機、神姫バスでは唯一、整理券番号が49番まで対応になっています。

 バスは、津山市内での渋滞による遅れを引きずりながらも順調に走り、途中で地元の方たちに手を振っていただきながら、定刻より2分ほど遅れて大原に到着しました。



 大原に到着した5855は、慌しく最終の真加部経由津山行きとして津山へ向けて発車していきました。もう、大原から津山へ行く神姫バスはありません。

 バス停で暫く待っていると、神姫バスの関係者の方が次々とやってこられました。



 18時21分に、先ほどの1080が後山行きとして多くの方に見守られて発車していきました。その後、19時前に後山から戻ってきて、1080最後の運行が終了しました。


 到着後、終了点検と同時に運賃箱を開放したり、広告類を取り外して転属に備えていました。更に待つこと30分。


 津山発湯郷温泉経由大原行きの最終バス1081が到着。あと1本、津山発真加部経由後山行きがあり、このバスが本当の最終なんですがここまで見届けてしまうと、自宅に帰れなくなってしまうため後ろ髪を引かれながら撤退。

 62年の歴史に幕を閉じた大原。その、最終バスを見届けることが出来なかったのは残念ですが、最終日に訪れることが出来たのはよかったと思います。しかし、こんな出来事は今回を最後にして欲しいと切に願っています。